ロボット支援手術の特徴
現在多くの外科系領域で多種多様なロボット支援手術術式が保険収載されていますが、各領域でのロボット支援手術には以下の共通した特徴があります。
- 高解像度カメラから得られる3D画像により、術野の詳細な解剖を認識できる。
- 多関節鉗子をミリ単位で操作でき、手振れ防止機能のため、繊細な手術操作が可能。
- 術者はコンソールと呼ばれる航空機のコックピットのような快適な空間で、座って手術を行うため、肉体疲労が少なく長時間集中力が保てる。
- 腹腔鏡手術と同様に体腔内を気腹(二酸化炭素を送り込んで膨らませる)して手術操作を行う。
以上の点の効果により、手術のきずは小さく、出血量は減少して低侵襲(体に優しい)であり、癌組織の正確な切除や臓器機能温存を可能とします。

当院の取り組み
当院では2019年11月に、手術支援ロボット(ダビンチ)を使用したロボット支援手術を、まず泌尿器科領域の前立腺がんに対して開始しました。その後泌尿器科領域においては2020年11月から腎臓がんに対するロボット支援手術を、2024年9月からは膀胱がんに対するロボット支援手術を開始しました。
一方産婦人科領域でも泌尿器科での開始時期から少し遅れて、ロボット支援手術を子宮筋腫、子宮体癌と骨盤臓器脱に対して開始しました。消化器外科においても2025年11月から結腸癌に対してロボット支援手術を開始しています。
2025年12月末で総計403例のロボット支援手術を達成しました。
泌尿器科領域
泌尿器科では、2019年10月に当院が島根県内の市中病院で初めて手術支援ロボット(ダビンチ)を導入した後、当院最初の症例として、同年11月より前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘除術を開始しました。
さらに、2020年11月には小径腎癌に対するロボット支援腎部分切除術、2024年9月には筋層浸潤性膀胱癌に対するロボット支援膀胱全摘除術、2025年6月には大径腎癌に対するロボット支援腎摘除術、同年9月には腎盂尿管癌に対するロボット支援腎尿管全摘除術を開始し、着実に実績を積み重ねています。


| 術式 および 開始年月 | 対象疾患 |
|---|---|
| ロボット支援前立腺全摘除術 2019年11月~ | 前立腺癌 |
| ロボット支援腎部分切除術 2020年11月~ ★ | 腎癌(小径) |
| ロボット支援膀胱全摘除術 2024年9月~ ★ | 筋層浸潤性膀胱癌 |
| ロボット支援腎摘除術 2025年6月~ ★ | 腎癌(大径) |
| ロボット支援腎尿管全摘徐術 2025年7月~ ★ | 腎盂・尿管癌 |
婦人科領域
低侵襲手術の普及により、婦人科良性疾患では開腹手術と腹腔鏡手術の比率が逆転し、当院産婦人科でも大部分の手術が腹腔鏡で行われています。
一方、2018年には婦人科領域でもロボット支援手術が保険適用となりましたが、これまで山陰両県では島根大学医学部附属病院と鳥取大学医学部附属病院の2施設のみで婦人科のロボット支援手術が行なわれていました。
松江圏域の患者さんに最新の医療を提供するため、当科では2021年9月から良性子宮腫瘍に対するロボット支援下の子宮全摘術(RA-TLH)を保険診療として開始しています。順調に症例を重ね、2022年3月からは早期子宮体癌を対象としたロボット支援子宮悪性腫瘍手術に取り組むこととなりました。2023年3月からは骨盤臓器脱(子宮脱)に対するロボット支援仙骨膣固定術(RSC)を開始しています。

| 術式 および 開始年月 | 対象疾患 |
|---|---|
| ロボット支援子宮全摘除術 2021年9月~ ★ | 子宮筋腫・子宮腺筋症 |
| ロボット支援子宮体癌手術 2022年3月~ ★ | 子宮体癌 |
| ロボット支援仙骨膣固定術 2023年3月~ ★ | 骨盤臓器脱(子宮脱) |
消化器外科領域
消化器外科では、腹腔鏡手術をはじめとする低侵襲の手術を積極的に導入してきました。
2025年11月からは結腸癌に対するロボット支援手術を開始しています。
| 術式 および 開始年月 | 対象疾患 |
|---|---|
| ロボット支援結腸悪性腫瘍切除術 2025年11月~ | 結腸癌 |