新年度のご挨拶 : 共同して病院の機能を作っていく
はじめに
陽春の候、皆さまにおかれましては、ますますご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。
さて、本年も国内外で社会の動きは大きく加速しています。FIFAワールドカップ米国大会、米国大統領中間選挙、日本国憲法発布80周年、日本の国連加盟70周年など、歴史的な節目や国際的な出来事が予定されています。
医療の分野においても、本格的な高齢化社会の到来により大きな変化が進んでいます。国は「治す医療から、治し支える医療へ」の転換を掲げ、新たな医療計画や地域医療構想を通じて、高齢化社会への対応を進めています。このような変化の中で、当院は人と人とのつながりを何より大切にしながら、柔軟に対応してまいります。
2026年は昭和元年(1926年)からちょうど100年にあたる節目の年であり、昭和生まれの方が100歳を迎えられる年でもあります。国連の推計では、2050年までに日本の100歳以上人口は100万人を超えるとされ、「人生100年時代」はもはや特別な言葉ではなくなりました。
私たちは、長い人生の多くを健康に過ごせるようになった一方で、年齢とともにかかりやすい病気の種類も変化しています。そこで次に、長寿社会に多い病気について考えてみたいと思います。

松江市立病院
病院長 久留一郎
長寿社会に多い病気と養生
加齢とともに細胞の老化が進むと、体の修復力や免疫力が低下し、さまざまな疾患が起こりやすくなります。長寿社会では、がん、肺炎などの感染症、心臓病が増加し、特に高齢者では誤嚥性肺炎、尿路感染症(腎盂腎炎など)、心不全、骨折が多く見られるようになります。
そのため、病気を未然に防ぐためには、日頃から免疫力や体力、すなわち「生命力」を養うことが重要です。
この「養生」について、江戸時代前〜中期の儒学者・貝原益軒は、自身が80歳まで実践した健康法を『養生訓』にまとめています。その中の「養老」の章には、次のような教えが記されています。
- 心を静かに保ち、怒らず、欲を控えて体を養うこと
- 心を楽しませ、栄養をおろそかにせず、気力を養うこと
- 物事を欲張りすぎないこと。多すぎると心身が疲れる
- 暑さ、とくに残暑に注意すること
- 夜食は慎むこと
- 何事も用心をして、自分の気力に合った生活を心がけること
高齢者の方はもちろん、私たち一人ひとりが日々の養生を意識し、生命力と免疫力を高めて、病気にかかりにくい生活を心がけることが大切です。
4つの病院機能の充実を通じて基本理念を実現
当院は本年度も、「市民への奉仕を第一とし、市民から愛され、信頼される病院」という基本理念の実現に取り組んでまいります。
そのため、2026年度の病院年度目標を「共創の医療を目指す」と定めました。「共創」とは、患者さんの視点に立った安心・安全な医療を実現するために、職員一人ひとりが力を合わせ、共に医療をつくり上げていくことを意味しています。
職員同士の結びつきをさらに強めながら、診療・看護・ケアの質を高め、4つの病院機能の充実を図ってまいります。
引き続き、皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2026年度 共創の医療を目指す
1.患者中心の医療を皆で推進する。
2.チーム医療を共に創る。
3.病院全体の機能を共に改善していく。
4.教育・研修・研究を共に推進する。