松江市立病院では、各診療科と連携しながらゲノム診療を行なっております。がんおよび希少疾患等、ご自身やご家族に関する体質について、詳しく知りたい方、疑問や不安をお持ちの方のご相談をお受けしています。
がんゲノム診療
診療内容
松江市立病院では多診療科が連携し、個々のがんの性質に合った治療選択に繋げる検査である 「がん遺伝子パネル検査」を実施しております。
「がん遺伝子パネル検査」では、生検や手術などで採取されたがんの組織を用いて、がんの診断や治療に役立つ情報を得るために、多数(多くは100以上)の遺伝子を同時に調べます。
検査の結果は医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、認定遺伝カウンセラーをはじめとした多職種の専門家で議論し、治療効果が期待できる薬剤や、参加できる可能性がある臨床試験・治験の有無を含めた、最適な治療法を検討します。
実施している検査
- FoundationOne® CDx
- FoundationOne® Liquid CDx
- OncoGuide™ NCC オンコパネルシステム
- GenMineTOP
- Guardant360 CDx
がんゲノム診療構成員
- 大石徹郎(産婦人科)
- 内田尚孝(乳腺・内分泌外科)
- 瀬島健裕(泌尿器科)
- 村脇義之(消化器内科)
- 太田哲郎(循環器内科)
- 吉田 学(病理診断科)
- 小西龍也(呼吸器内科)
- 荒木邦夫(呼吸器外科)
- 酒井牧子(薬剤師)
- 吉本 歩(がん看護専門看護師)
- 竹下美保(認定遺伝カウンセラー)
紹介方法について
診療情報提供書に「がんゲノム医療の相談」と記載いただき、地域連携室へご連絡ください。
診療科に迷われる場合は空欄で構いません。予約日時はご相談のうえ決定いたします。
| 紹介先 診療科 | 担当医 |
|---|---|
| 婦人科 | 大石 徹郎 |
| 乳腺・内分泌外科 | 内田 尚孝 |
| 泌尿器科 | 瀬島 健裕 |
| 消化器内科 | 村脇 義之 |
| 循環器内科 | 太田 哲郎 |
| 呼吸器内科 | 小西 龍也 |
| 呼吸器外科 | 荒木 邦夫 |
| 小児科 | 辻 靖博 |
がん遺伝子パネル検査とは
当院は、「がん細胞」に起きている遺伝子の変化を調べ、その特徴を知ることで、あなたに適した治療法を検討する「がん遺伝子パネル検査」を実施しています。ご自身がこの検査の対象となるのか、まずは、かかりつけの医師とご相談ください。
また、当院では検査を受けるかどうか迷っている方のご相談も承っております。がん遺伝子パネル検査の特徴について、医師ならびに認定遺伝カウンセラーまたは看護師より詳しくご説明いたします。
保険診療でがん遺伝子パネル検査ができる方
ご自身がこの検査の対象となるのか、まずは、かかりつけの医師とご相談ください
以下の2項目すべてに該当する方が対象となります
- 標準的な治療法が確立されていない希少がんや原発不明がんの方または、標準治療が終了となった、あるいは終了が見込まれる固形がんの方
- 全身状態や臓器機能等から、がん遺伝子パネル検査施行後に、化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した方
がん遺伝子パネル検査をお受けできない方
- 紹介状がない方
- 患者さん本人の来院が困難な方
がん遺伝子パネル検査の流れ
検査前説明から結果をお渡しするまでに3回の受診が必要となります
検査提案から結果開示まで3〜4か月かかります

- 医師が紹介状や検査データをもとに適応判断し、検査について説明します
- 病理診断科にてがん組織が検査に適しているか判断します → 血液の場合「不要」
- 組織検体が検査に適していると確認できたら、検査の同意書に署名を頂きます
- 検査会社(海外)に検体を提出し、検査を開始します
- 専門家によるカンファレンスによって、治療方針などを検討します
- 検査の結果や今後の治療について説明します
検査の対象となるのか相談したい場合
セカンドオピニオン外来をご利用ください
当院では検査を受けるかどうか迷っている方のご相談も承っております。がん遺伝子パネル検査の特徴について、医師ならびに認定遺伝カウンセラーまたは看護師が詳しくご説明いたします。ご相談の際は紹介状をご用意頂き、セカンドオピニオン外来を受診してください。
セカンドオピニオン外来
「松江市立病院セカンドオピニオン外来申込書」に「がん遺伝子パネル検査のご相談」と記載して、地域連携室までご予約をお願いします。
がん遺伝子パネル検査費用
高額療養費制度の適応になります
- 検査提出:440,000円+税(3割負担;132,000円+税)
- 検査結果説明:120,000円+税(3割負担;36,000円+税)
(注意)検査費用は保険の適用となりますが、検体を提出されてもがん組織の状態によっては検査自体が困難な場合があります。その場合も検査提出の費用がかかります。
遺伝カウンセリング外来について
がんの約1割は「遺伝性腫瘍」であることが分かっています
がんの中で約5〜10%の方が遺伝に関わる体質により、がんを発症することが分かっています。遺伝性腫瘍が疑われる場合やご不安がある場合は遺伝カウンセリング外来への受診をお薦めします。
【重要】がん遺伝子パネル検査を受ける際の注意点
- 検査の結果、実際に治療に到達できる患者さんは少なく1割程度と報告されています
- 効果が期待される薬剤の情報が得られた場合でも、保険診療での治療は難しく「自由診療」もしくは「県外施設での治験・先進医療」として治療を行う可能性が高い状況にあります。治療費は一部〜全額自己負担となります
- がん遺伝子パネル検査の結果に基づいて治療を行っても、治療効果が得られない可能性もあります
- がん遺伝子パネル検査は、現在通院中の主治医の判断に必要な情報を提供するものであって、検査後の治療は現在治療を行っている主治医の判断となります
- この検査の結果が、主治医の判断よりも優先されることはありません
がん遺伝子パネル検査について
以下のいずれかに該当する場合は「血液」での検査が可能です(FoundationOneⓇLiquidCDxがんゲノムプロファイル)
- 医学的理由により、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とした検査を行うことが困難な場合。
例えば
- 組織検体が十分量確保できない、組織検体が確保できたが、腫瘍含有割合が不足している
- 初回診断時から長期間経過しており、組織検体が経年劣化している
- 分子標的治療薬などの治療により、遺伝子変異プロファイルが変化している可能性があり、初回診断時の組織検体が適切ではない
- 組織検体で検査不成立であった場合(注意:別途検査費用がかかります)
「血液」での検査を実施している当院の具体例
腫瘍組織を採取することが困難であることと、血中循環腫瘍DNAが多いと判断される以下の症例
- 治療の効果がなく、腫瘍増大している症例
- 標準治療がなく、多発転移が認められる症例
血中循環腫瘍DNAを用いたがんゲノムプロファイリング検査の利点と注意点
| 利点 | 注意点 | |
|---|---|---|
| 血液 | 検体採取が容易であり、採取時点における腫瘍の遺伝子異常の情報を取得可能結果判明までの時間が短い | 腫瘍量が十分でない場合、検出されない可能性がある組織検体に比べると偽陰性が高いとされる加齢に伴いCHIPによる偽陽性の頻度が高まるコピー数変化、および、遺伝子融合の評価が困難な場合がある |
| 組織 | 腫瘍細胞における遺伝子異常を直接評価可能 | 検体採取に患者負担、合併症のリスクなどがある結果判明までに時間を要する腫瘍細胞割合が低い場合には偽陰性となる過去の検体は現時点の腫瘍細胞における遺伝子異常を反映していない可能性がある検体採取から3~5年以上経過している場合には検体が劣化する |
日本臨床腫瘍学会・日本癌治療学会・日本癌学会3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース
「血中循環腫瘍DNAを用いたがんゲノムプロファイリング検査の適正使用に関する政策提言」(令和3年1月20日)より抜粋https://www.jsmo.or.jp/file/dl/newsj/2765.pdf2021.4.28閲覧
CHIP:ClonalHematopoiesisofIndeterminatePotential;クローン性造血
コンパニオン診断薬としての使用上の注意点(FoundationOneⓇLiquidCDxがんゲノムプロファイル添付文書より一部抜粋)
- 本品を下表に示した対応する治療薬の適応を判定するための補助として用いる場合には、組織検体を用いた検査と完全に置き換わる検査ではないことを理解した上で使用すること。
- 本品を下表に示した対応する治療薬の適応を判定するための補助として用いる場合には、「同等性試験」の有無、及びその内容を踏まえて使用すること(例えば、EGFR遺伝子T790M変異について同等性試験は実施していない)。なお、本品によるコンパニオン診断の結果が陰性の場合は、可能な限り組織を用いた検査等の実施を考慮すること。
- 本品の最小検出感度未満の場合は、遺伝子変異等が存在する場合でも陽性と報告されないことがある。
下表に示した対応する治療薬を除き、本品で得られた結果は特定の医薬品に対する適応判定を目的としたものではない。
| 遺伝子変異等 | がん種 | 関連する医薬品 |
|---|---|---|
| 活性型EGFR遺伝子変異 | 非小細胞肺癌 | アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩 |
| EGFRエクソン20T790M変異 | オシメルチニブメシル酸塩 | |
| ALK融合遺伝子 | アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ | |
| ROS1融合遺伝子 | エヌトレクチニブ | |
| NTRK1/2/3融合遺伝子 | 固形癌 | エヌトレクチニブ |
| BRCA1/2遺伝子変異 | 前立腺癌 | オラパリブ |
お問合せ先
平日 8:30~17:15
電話番号(代表):0852-60-8000
- ゲノム医療相談室 認定遺伝カウンセラー 竹下 美保
- がん相談支援センター がん看護専門看護師 吉本 歩