2年間を通じて地域の中核を担う自治体病院における研修を基本とし、大学病院においてより高度で専門的な研修を行うこともできるプログラムです。
下記順序は、標準的な例です。研修医の希望や人数に応じて、組み替えて実施することがあります。
(※)当初1週間は、オリエンテーションとして、臨床に携わる医師として必要な知識・技能等を修得します。
当該研修プログラムにおいて研修医が臨床研修を行う分野について、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、救急部門及び地域医療を「必修分野」とする。一般外来の研修も含める。
原則として内科においては24週、救急部門においては12週、外科、小児科、産婦人科、精神科、地域医療及び一般外来についてはそれぞれ4週の研修を行う。
①内科
糖尿病・内分泌内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、神経内科において実施する。入院患者の一般的・全身的な診療とケア及び一般診療において頻繁に関わる症候や内科的疾患に対応するために、幅広い内科的疾患に対する診療を行う病棟研修を含むこととする。
②外科
消化器外科、整形外科、脳神経外科、乳腺・内分泌・胸部外科において実施する。一般診療において頻繁に関わる外科的疾患への対応、基本的な外科手技の修得、周術期の全身管理などに対応するために、幅広い外科的疾患に対する診療を行う病棟研修を含むこととする。
③小児科
小児の心理・社会的側面に配慮しつつ、新生児期から思春期までの各発達段階に応じた総合的な診療を行うために、幅広い小児科疾患に対する診療を行う病棟研修を含むこととする。
④産婦人科
妊娠・出産、産科疾患や婦人科疾患、思春期や更年期における医学的対応などを含む一般診療において頻繁に遭遇する女性の健康問題への対応等を修得するために、幅広い産婦人科領域に対する診療を行う病棟研修を含むこととする。
⑤精神科
精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、精神科専門外来又は精神科リエゾンチームでの研修を含む。急性期入院患者の診療も行う。
⑥救急部門(下記のいずれかで12週の研修を行う)
A.ブロック研修8週(麻酔科4週、救急診療科4週)を行い、残りの研修期間4週分については、ブロック研修実施後、指導医のもとで週1回の当直を20回以上行う。
B.ブロック研修4週(麻酔科で4週を上限)を行い残りの研修期間8週分については、ブロック研修実施後、指導医のもとで週1回の当直を40回以上行う。
C.ブロック研修4週(救急診療科4週)を行い残りの研修期間8週分については、ブロック研修実施後、指導医のもとで週1回の当直を40回以上行う。
松江赤十字病院での救急研修も5週を上限に実施可能とし、研修内容については松江赤十字病院の定めた研修カリキュラムに基づいて実施する。なお、麻酔科での研修については気管挿管を含む気道管理及び呼吸管理、急性期の輸液・輸血療法、並びに血行動態管理法についての研修を含むこととする。
⑦地域医療
原則として、2年次に地域医療を研修行う。一般外来での研修と在宅医療での研修を含めることとする。選択科目での地域医療研修も可能とするが、臨床研修協力施設における研修期間は一般外来研修を含め12週までとする。
⑧一般外来研修
一般外来研修についてはブロック研修及び並行研修で実施する。ブロック研修で行う場合、研修協力施設の開業医で4週行うこととする。並行研修で行う場合は一般外来研修を当院で2週、地域医療で2週行い、合わせて4週を確保する。
研修医の希望を基本に到達状況を踏まえて選択科目を決定する。研修医の希望により、鳥取大学および島根大学の診療科においてより専門的な研修を行うことも可能。研修期間は15週以内とする。
松江赤十字病院においても選択科目の研修が可能であるが、当院では研修できない診療科での研修とし、研修期間は5週を上限とする。研修内容などについては、それぞれの病院の定めた研修スケジュールに基づき実施する。
研修全体において、院内感染や性感染症等を含む感染対策、予防接種等を含む予防医療、虐待への対応、社会復帰支援、緩和ケア、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)、臨床病理検討会(CPC)等、基本的な診療において必要な分野・領域等に関する研修を行う。
番号 | 診療科名 | 番号 | 診療科名 | 番号 | 診療科名 |
1 | 総合診療科 | 9 | 産婦人科 | 17 | 皮膚科 |
2 | 糖尿病・内分泌内科 | 10 | 消化器外科 | 18 | 泌尿器科 |
3 | 消化器内科 | 11 | 整形外科 | 19 | 形成外科 |
4 | 循環器内科 | 12 | 脳神経外科 | 20 | 耳鼻いんこう科 |
5 | 呼吸器内科 | 13 | 乳腺・内分泌・胸部外科 | 21 | 眼科 |
6 | 神経内科 | 14 | 麻酔科 | 22 | リハビリテーション科 |
7 | 精神神経科 | 15 | 緩和ケア・ペインクリニック科 | 23 | 病理診断科 |
8 | 小児科 | 16 | 放射線科 |
①救急外来で出会う各科に特有な救急疾患など個別のテーマについて、担当指導医によるレクチャーを実施する。
②臨床研修に必要な基本的手技について、担当指導医によるレクチャーを実施する。
③院内講師による研究会やCPCを頻回に開催するとともに、院外専門家による講演会や研究会も積極的に行う。
④救急外来などで経験した症例をもとに研修医カンファレンスを毎週金曜日の早朝に行う。
⑤救命救急に必要な知識技術の取得のため、BLS・ACLSの受講を必須とする。
⑥感染症診療の基礎となる細菌の鑑別知識と手技を習得するためのレクチャーを実施する。