13.脳神経外科

研修指導責任者:阿武雄一

(1)一般目標(GIO)

脳神経外科領域において頻度の高い脳卒中、脳腫瘍などの代表的疾患について、医師として必要とされる知識、技術を習得し、基本的な診療能力・態度を身につける。

(2)行動目標(SBOs)

1)脳神経外科患者の問診、基本的全身診察、神経学的診察を行い適切にカルテに記載し必要な初期治療を開始することができる。

(1)意識障害、中枢性の高血圧及び呼吸障害の評価と処置ができる。

(2)頭蓋内圧亢進症状の評価と処置ができる。

(3)高次機能検査ができる。

2)脳神経外科患者の輸液管理の基本を理解し、入院患者を受け持つことができる。

また、意識レベルのチェック、バイタルサインのチェックの基本を理解し、指導医および上級医の指導のもとに指示を書くことができる。

(1)患者及び家族に対し病状の説明ができる。

(2)検査計画を立てることができる。

(3)治療計画を立てることができる。

(4)入院指示書を書くことができる。

(5)退院時要約を書くことができる。

3)必要な検査結果を分析し、異常所見に対して適切に処置できる。

(1)中枢性の電解質異常に対しその評価ができ、指導医および上級医の指導のもとで初期治療ができる。

(2)髄液所見の評価ができ、所見に応じて初期治療が開始できる。

4)脳神経外科領域の各種補助診断法の適応を理解し、指導医および上級医の指導のもとその結果を分析することができる。

(1)頭部、頚椎のX-Pの指示ができ、その読影ができる。

(2)CTの指示ができ、その読影ができる。

(3)MRI、MRAの指示ができ、一般的な読影ができる。

(4)造影MRAの適応を理解し指示ができ、一般的な読影ができる。

(5)脳血流シンチの指示ができ、一般的な読影ができる。

(6)脳血管撮影の適応を理解し、指導医および上級医の指導のもとにその説明ができる。

(7)脳波検査の適応を理解し、指導医および上級医の指導のもとにその所見を読み取ることができる。

5)脳神経外科の救急患者に対して指導医および上級医とともに的確な初期診療ができ、入院患者を受け持つことができる。

(1)適切な検査を順序よくオーダーできる。

(2)急性頭蓋内圧亢進、高血圧の評価ができ、初期治療および入院管理ができる

(3)頭蓋骨骨折が診断でき、初期治療および入院管理ができる。

(4)外傷性頭蓋内出血を診断し、初期治療および入院管理ができる。

(5)経過観察入院をさせる患者の評価と選択ができ、その指示ができる。

(6)帰宅させる患者の評価と選択ができ、その指示ができる。

(7)くも膜下出血の病態の特殊性を理解し、診断と初期治療ができ入院管理ができる。

(8)急性期脳梗塞を診断し、初期治療および入院管理ができる。

(9)経腸栄養法が指示でき、実施できる。

6)検査、処置、手術に参加し、脳神経外科に特有な基本手技を理解し指導医および上級医の指導のもとで実施することができる。

(1)腰椎穿刺の適応と禁忌を理解し、適応を判断し実施できる。

(2)開頭術を含む基本的な脳神経外科手術の助手ができる。

7)慢性期の頭部外傷、脳卒中の患者の管理をすることができる。

(1)社会福祉施設、老人保健施設、療養型病床を持つ病院の知識を持ち、紹介、転送ができる。

8)脳腫瘍の患者を受け持ち、管理することができる。

(1)脳浮腫に対して必要な初期治療ができる。

(2)MRI、脳シンチ、脳血管撮影を含む必要な検査の指示ができる。

(3)方略(LS)

LS1:On-the-jobtraining(OJT)

1)ローテート開始時には、指導医・上級医と面談し、自己紹介、研修目標の設定を行う。

2)担当医として入院患者を受け持ち、指導医の指導のもと、問診、身体観察、検査データの把握を行い、診察および治療計画立案に参加する。

3)外来診療は新患の病歴聴取などを行いながら、指導医のもと診察や患者への接し方を学ぶ。

4)診療情報提供書、退院療養計画書、退院要約を指導医および上級医のもとで作成する。

5)採血、静脈路確保、動脈穿刺、腰椎穿刺など基本的手技を習得する。

6)救急外来での初期治療にあたり、頻度の高い疾患(外傷、脳卒中等)に適切に対応できる知識、技術を得る。

7)症例検討に参加し治療方法、、手術適応、手術方法について知識を深める。

8)入院患者の画像検査結果について指導医および上級医とともに読影し、治療方針を立てる。

9)脳神経外科手術の助手として手術に立ち会い、穿頭術、開頭、閉頭方法を学ぶ。

10)指導医および上級医の指導のもと術前、術後管理を行う。

11)患者・家族との信頼関係を作り、必要に応じて病態説明を行う。

12)看護師をはじめとしたコメディカルと協調し、チーム医療を実践する。

13)指導医および上級医のもとで学会、研究会などに参加する。

 

LS2:勉強会・カンファレンス

1)脳神経カンファレンス(術前カンファレンス含む)(週1回)

2)鳥大脳神経外科との合同カンファレンス(月1回)

3)リハビリテーション科との合同カンファレンス(月1回)

 

LS3:院外研修(学会参加等)

1)関連学会への参加、発表

 

 

【週間スケジュール】

 

午前

午後

夕方(17:15〜)

外来診療

病棟回診、検査

手術

 

外来診療

病棟回診、研究

脳神経カンファレンス(術前カンファ含む)

手術

手術

 

病棟回診、手術

検査

脳神経外科・理学合同カンファレンス(第3)

鳥大脳神経外科合同カンファレンス(第4)

外来診療

病棟回診

 

(4)評価(EV)

1)形成的評価(フィードバック)

(1)知識(想起、解釈、問題解決)については随時行う。

(2)態度・習慣、技能についても随時行う。

2)総括的評価

(1)研修医による自己評価

EPOC(臨床研修評価システム)による評価。

各診療科の研修終了時に研修医は研修評価書に自己評価を記入し医師支援室へ提出する。

(2)臨床研修指導医による評価

指導医は研修医の研修評価について指導医評価を行い、研修医の到達目標達成を援助する。

また、研修医より提出された症例レポートについて評価を行う。

研修終了後、「臨床研修指導医による研修医の態度評価」を記入し医師支援室へ提出する。

(3)臨床研修指導者による評価

当院独自の「臨床研修指導者による研修医の態度評価」を用いて研修医及び指導医の評価を行う。

(4)研修医による評価

 EPOCへ診療科全体(指導内容、研修環境)の評価を行う。