肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母)区分 | 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) | リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
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853 | 667 | 78.19% |
肺血栓塞栓症は、下肢や腹部でできた血の塊(血栓)が肺動脈に詰まる疾患で、大きな手術後やベッド上安静を長くしている場合に起こりやすいとされます。
この予防方法には、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置の使用、抗凝固薬(血液凝固を抑える薬剤)療法があり、発症のリスクレベルに応じた予防対策の実施が推奨されています。
周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、急性肺血栓塞栓症の発生率を下げることにつながると考えられており、ガイドラインに沿った診療プロセスが構築されているかの指標となります。
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
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1736 | 1332 | 76.73% |
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行い、原因となる細菌を調べることは望ましい行為となります。
その血液培養検査では、1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上の検体採取が推奨されています。
本指標は、血液培養を行う際に2セット以上の検査が実施された割合を示しています。
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
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235 | 217 | 92.34% |
近年、新たな抗菌薬耐性菌が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。
不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められています。
その鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数(分子) | 転倒・転落発生率 |
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99687 | 350 | 3.51‰ |
病院におけるインシデント・アクシデント事例の中で、転倒・転落件数は少なくありません。本指標は入院患者さんで転倒・転落が発生した比率を示しています。
意識レベルや体のバランス機能等、集計の対象となった患者さんの状態等による影響も大きい数値です。
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
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99687 | 26 | 0.26‰ |
インシデント影響度分類は傷害の継続性と障害の程度により事例を7段階に分類するもので、手術や入院日数の延長などの濃厚な処置や治療を要したレベルを3bとしています。
本指標は入院患者さんで、転倒・転落によって3b以上の傷害が発生した割合を示しています。
傷害に至らなかった事例とあわせて分析することで、より効果的な転倒・転落の予防策につながります。
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
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1450 | 1444 | 99.59% |
現在は細菌感染を起こしていないが、手術後の手術部位の感染発生をできるだけ予防するために、抗生物質をあらかじめ投与することを予防的抗菌薬投与といいます。感染発生を防ぐことで、入院日数の延長や医療費の増大を抑制できると考えられます。
昨年度の当院で実施した全身麻酔手術では、ほとんどのケースで抗菌薬の事前投与が行われました。
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
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96677 | 53 | 0.05% |
褥瘡(じょくそう)は低栄養や一定の体の向きしか取れない患者さんが、長時間安静にしていた場合などに生じるものです。患者さんのQOL低下や感染発生による入院の長期化につながるため、褥瘡予防対策は医療・看護ケアの重要な項目の一つとなっています。
65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
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4557 | 3755 | 82.40% |
早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮や予後改善につながるとされています。
退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 |
身体的拘束の実施率 |
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86956 | 10434 | 12.00% |
身体的拘束とは、患者さんの身体または衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に身体を拘束して行動を制限することをいいます。
制限の程度が強く、二次的な身体的障害が発生する可能性もあるため、やむを得ない場合に限るよう努めることとされています。
更新履歴
2025年9月30日