放射線部

放射線部には「検査部門」と「治療部門」があり、「検査部門」では一般撮影検査、骨密度測定検査、CT検査、MRI検査、RI検査、血管撮影検査など、各科からの依頼による画像検査・画像診断を行っています。「治療部門」では、主に高エネルギー放射線を用いた外部照射法中心に、リニアック装置による放射線治療を行っています。

一般撮影部門

乳房撮影装置(マンモグラフィ)

乳房内に隠れている微細な病巣を見つけるための専用撮影装置です。触知できないような微細石灰化や腫瘤の描出に有用なデジタル画像装置を使用した撮影画像による診断の他、病巣の細胞を採取する生理検査(マンモトーム生検)も行っています。

当院は、日本乳がん検診精度管理中央機構による「マンモグラフィ検診施設画像評価」の認定施設であり、撮影技師においては複数名の「検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」が在籍し、主に女性技師が中心となり撮影・検査を行っています。

骨密度測定装置

骨粗鬆症の診断・判定を行うための専用撮影装置で、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に推奨されているDEXA法を利用した撮影を行っています。

主に高齢の方々を対象として、予め骨折を起こしやすい腰椎や股関節周囲の骨密度を測定し、骨粗鬆症の進み具合を調べることで、骨折の予防につながります。また、薬剤による骨粗鬆症治療の方の撮影は、治療による効果判定の診断をしています。

CT検査部門

主に体内臓器の診断を目的とした断層撮影装置で、現在2台のマルチスライスCT装置(エリアディテクター320列・64列)で撮影を行なっています。短時間の息止めで、体動によるブレなど画像への影響が少なく、体内の広範囲部分を一度で撮影することが可能です。

撮影の終わった画像データをワークステーションに転送して立体画像(3D)を迅速に作成し、脳動脈瘤の解析、心臓の動脈狭窄などの解析等を行い、次に行われる血管撮影検査のサポートに役立てています。またCT透視機能も完備しており、透視を利用して病巣の位置情報をリアルタイムに撮像することで、病巣組織採取も容易に行え、短時間の検査で終えることができます。

MRI検査部門

放射線と異なり強力な磁石と電波を利用した断層撮影装置で、放射線による被ばくが無く、X線CT撮影装置では画像診断が難しい領域(小脳・骨盤内・脊椎など)の撮像を得意としています。

従来から稼働している1.5Tの装置に加え3T装置も導入し、より高画質な画像の提供が可能となり、乳腺・心臓・骨関節内・脳血管などの精密検査が行えるようになりました。

また、待ち時間の短縮と予約枠の拡大が図れ、急患撮影の対応や外来脳ドックの撮影など、幅広い対応ができるようになりました。

核医学検査(RI検査)部門

微量の放射性医薬品(以下RI)を体内に静脈注射または経口投与し、臓器や病巣に集積したRIから放出される放射線を専用の検出装置で読み取り測定を行い、そのデータを下に画像を作成して診断する検査です。

PET-CT

PET(陽電子放出断層撮影)は、陽電子を放出する放射性同位体を含む薬剤(ブドウ糖に酷似した18F-FDG(フッ素)を利用)を投与し、その体内分布を画像化して診断を行う検査です。同時にCT撮影も行い画像を重ね合わせることで、体内のどの場所に分布しているか診断しやすくなります。

細胞の活動状態を画像で見ることができるため、がんなどの悪性腫瘍の病気の原因や転移が有るか無いか症状の診断に有用です。また、投与も1回だけで全身の病変を検索できる利点もあります。現在、悪性腫瘍の手術後・治療後の再発検査だけでなく、がん検診にも利用しています。

血管撮影部門

IVR-CT装置(頭部・腹部用)

令和4年10月に2方向から同時撮影ができるFPD搭載型血管撮影装置とCT装置が一体型となった最新型のIVR-CT装置を導入しました。IVR(InterVentionalRadiology)とは、X線透視下でカテーテルと呼ばれる細い管を足の付け根の動脈血管から、目的部位の場所まで進め、血管の造影検査や治療(血管を広げる、詰める、薬を投与する)を行うことです。

新たな装置では、2方向から同時に撮影できるため造影剤の量が少なくできること、同じ検査台で精度の高いCTも撮影できること、新しい機能により低線量の被ばくで検査ができることなど、患者さまの負担が低減できるようになりました。

現在では、脳血管内手術(脳動脈瘤コイリング、血栓回収術)、頚動脈ステント留置術、肝細胞癌への((血管内治療(塞栓術、薬剤投与)など様々な検査・治療を行っています。

シネアンギオ装置(心臓用)

現在、2台の心臓血管撮影装置が稼動しており、低線量被ばくの撮影が可能な装置、2方向同時撮影の可能な装置を導入し、患者様に負担をかけない「やさしい」心疾患の検査・治療を行っています。狭心症などの診断や冠動脈の治療、不整脈におけるペースメーカー植え込み術、近年では、3D解析画像を利用したアブレーション治療(心筋焼灼術)も積極的に行っています。

患者様のニーズに合わせ、診断では日帰りの心臓カテーテル検査を行っています。また、緊急を要する冠動脈狭窄などの治療に関しては、24時間体制で救急対応をしています。

治療部門

放射線治療部門では、放射線治療照射装置を用いた「外部照射療法」と、放射線同位元素を用いた「RI内用療法」を行っています。詳しくは『がんセンター』のホームページをご参照ください。