外科手術用3D内視鏡装置について

外科手術用3D内視鏡装置を導入【松江地区初導入】

(日本内視鏡外科学会技術認定医)

当院では昨年11月下旬に内視鏡手術のための外科手術用3D(三次元)内視鏡装置を導入し、現在活用しています(図1)。県内での導入は2番目で松江地区では初めてです。

現在、おなかに数か所小さい穴をあけて手術を行う内視鏡手術は傷が小さく患者にやさしいということで開腹手術にかわり広く普及してきています。内視鏡手術はテレビ画面を見ながら手術を行いますが、今までの外科手術用2D(二次元)内視鏡装置では画面が平面的で奥行きや距離感の把握が困難でした。
それを克服するために開発されたのが、外科手術用3D内視鏡装置です。術者、助手は3D映画を見る際かける偏光ゴーグルをかけて実際の手術を行なっています(図2)。3Dでは、奥行きのある映像が得られますので、奥行きや距離感の把握が容易で臓器を立体的に把握できます。さらに、鉗子の位置関係も把握しやすく、針の向きがわかりやすいので刺したい部位がより明瞭となり縫合が簡単になるといわれています。その結果、より安全、より迅速で正確な内視鏡手術が可能となり、手術時間の短縮はもちろん、より精度の高い手術、より困難な手術症例に対応できると考えます。さらに、内視鏡手術の技術獲得が簡単になると思われます。実際、外科手術用3D内視鏡装置導入後に胃がん、大腸がん、鼠径ヘルニアなどの症例に使用しましたが、外科手術用3D内視鏡装置の利点を実感できました。

図1:外科手術用3D内視鏡装置

図2:外科手術用3D内視鏡装置を使用中の様子