5.心臓血管外科の診療について

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術が可能となりました

当科は、令和3年5月に腹部大動脈瘤に対してのステントグラフト内挿術(カテーテル治療)の施設認定(暫定)を取得し、同年10月に当院初症例を施行しております。

ステントグラフト内挿術は、通常の開腹による人工血管置換術と比して低侵襲であり、高齢であったり、種々の合併症のために開腹手術が高リスクと判断された場合に施行します。この治療法は、2006年より保険収載され現在となっては一般的な治療法となっていますが、当院は、腹部大動脈ステントグラフト内挿術の指導医(3機種取得)が所属しており、様々な症例に対して適切な評価とデバイス選択を行うことが可能です。また、鳥取大学心臓血管外科、松江赤十字病院心臓血管外科との緊密な連携により、緊急症例ついては迅速な対応を心がけております。

下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術を積極的に行っています

令和2年に「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施施設」の認定を取得しました。これまでのストリッピング手術に比して低侵襲かつ整容性に優れています。また、これまで当院で主流であった高位結紮術に比して、有意に再発率が低く(ストリッピング術と同等)長期成績に優れています。

この治療法は、2010年に保険収載されましたが、2015年に小生が鳥取大学で施行するまでは、長らく山陰の地では行われませんでした。当時から培ってきた経験をもとに、当院でも適応や術式を適切に判断し、治療を行っていきたいと考えております。