4.当院における脳血管内治療の現状

松江市立病院が新病院になって17年目を迎えています。脳血管撮影機器が令和4年度に更新されてモノプレーン(一方向)のDSAから新しいバイプレーン(2方向同時)のDSAになります。さらに安全な脳血管内治療が出来ると期待しております。

新病院にになってコツコツと行ってきた脳血管内手術は300例に達しようとしております。

最近、脳動脈瘤塞栓術はステントを利用して今まで治療できなかった脳動脈瘤も治療可能となり、手術件数が増えてきました。

また、くも膜下出血の脳血管攣縮期は開頭クリッピング術が出来ない時期ですが、積極的に脳血管内手術で脳動脈瘤コイル塞栓術に加えて脳血管形成術を追加して安全に早期に治療をするように務めています。

以前は脳梗塞の超急性期にtPA静注療法だけでしたが、経皮的脳血栓回収術(吸引カテーテルや、ステントという金属の筒を使って血栓を回収する方法)が出来るようになり手術件数が増えてきました。

また、頸部内頚動脈狭窄症に対して内頚動脈内膜剥離術と頚動脈ステント留置術がありますが、安全性を考慮して頚動脈ステント留置術も積極的に行っています。

硬膜動静脈瘻に対しても数は少ないですが、治療を行っております。

髄膜腫に対して栄養血管塞栓術を積極的に行い、安全で出血の少ない開頭腫瘍摘出術を目指しております。