口腔腫瘍外来

口の中にもがんができるのですか?という質問を耳にすることがあります。口腔には多くの種類の腫瘍が生じ、良性のみならず悪性腫瘍も発生します。
口腔に生じる腫瘍で特徴的なものとして、歯をつくる元となった細胞から発生する歯原性腫瘍があります。その大半は良性ですが、顎骨の中で徐々に増大し、骨を膨隆させたり、歯の動揺を生じることがあります。
口腔がんは口腔の粘膜に生じるがんがほとんどですが、時に唾液を産生する唾液腺からがんを生じることがあります。我が国の全悪性腫瘍のうち、口腔がんは1〜2%程度といわれていますが、近年増加傾向にあり、年間およそ7000人が新たに罹患するといわれています。口腔がんでは舌癌が最も多く、次いで歯肉癌、頬粘膜癌、口底癌がみられます。
良性腫瘍では手術的に摘出・切除しますが、悪性腫瘍の場合、手術療法を主体とし、化学療法や放射線療法を行います。手術療法、化学療法、放射線療法の組み合わせでの治療もしばしばです。進行した腫瘍では切除量が増え、口腔の機能障害(咀嚼や発音)を後遺するため、他部位からの組織移植による再建術を必要とする場合があります。また。緩和ケア科との連携により治療困難な患者さんへのbestsupportivecareにも努めています。
口腔の腫瘍は比較的容易に見つけることができます。粘膜の色調が周囲より赤い、白い、黒い、あるいは隆起やくぼみ(潰瘍)がある場合には注意が必要です。なかなか治らない口内炎がある場合も受診がすすめられる状態です。

舌癌の例

下顎歯肉癌

歯原性腫瘍

歯原性腫瘍のレントゲン

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