病院長挨拶

 松江市立病院は、戦後間もない昭和23年4月に開設されました。当初は4診療科、30床でのスタートでしたが、以来70余年にわたり、地域の皆さまの身近な病院として親しまれてまいりました。

 

 私が最初に当院に入職したのは昭和61年のことであります。当時灘町にあった病院は老朽化が激しく、建て替えが待ち望まれながらも財政面など問題が山積していたことをよく覚えております。

 

 その後、市民の皆さまのご理解と温かいご支援により、平成17年8月に現在の乃白町に新築移転し、さらに平成29年にはがん診療の拠点となる「がんセンター」を開設することができました。

 

 この間、全国有数の設備を誇る緩和ケア病棟と緩和ケアチームの創設、山陰地方では初となるサイバーナイフをはじめ、手術支援ロボット(ダヴィンチ)やフィットネスルームの導入、そしてゲノム医療への取り組みなど、当院の診療機能は大きく発展し、病床数470床、28診療科を有し、100名を超える医師が勤務する山陰の中核病院の一つとなりました。

 

 しかしながら、地域の医療機関等との病診連携や、ロボット支援手術などの低侵襲手術の導入によって、在院日数の短縮化が図られたことから、令和5年4月1日より試行的に現行の10病棟419床を9病棟373床へ集約することにしました。

 

 現在、我が国は諸外国に例をみないスピードで高齢化が進んでいます。

 

 そうした中で、当院の役割として、皆様が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを安心して続けることができるよう、高度な医療体制を確保するとともに、最新の医療情報や研修の場を提供し、他の医療機関や施設との連携によって地域包括ケアシステムの構築を一層推進してまいる所存です。

 

 結びになりますが、当院のモットーは「愛情、信頼、奉仕」であります。地域の皆さまへの奉仕を第一とし、愛され、信頼される病院となれるよう、これからも職員とともに全力で尽力したいと存じますので、今後とも格別のご理解とご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 

松江市病院事業管理病院