女性内分泌外来

(毎週月・水・金曜日14:00~16:00:産婦人科

近年不妊症の夫婦が増加していると言われています。それにはいくつかの要因が考えられます。クラミジアなどの性感染症の増加、女性の社会進出に伴って、女性内分泌外来結婚、出産年齢が高齢化してきたこと、世界的な精液中の精子数の減少、ストレスやダイエットによる女性のホルモンバランスの乱れ、子宮内膜症の増加等々・・。様々な情報が飛び交い、プレッシャーを強く感じて、自分が不妊症なのではないかと恐れている女性も増えています。神経質になりすぎるのも不妊症の原因のひとつかもしれません。不安を解消するひとつの手段として、不妊外来を訪れ話をしてみてはどうでしょうか。
どうぞ気楽においで下さい。

不妊症と体外受精

不妊症とは

一般に、結婚後2年間の夫婦生活を送っているにもかかわらず、妊娠に恵まれない場合を不妊症と診断します。現在不妊症と診断されるカップルは10組に1組と言われており、決してめずらしいことではありません。また不妊症の原因も、とかく女性側ばかりに押し付けられがちですが、原因の半分は男性側にもあると考えられております。ですから不妊症は決して片方ばかりの問題としてではなく、夫婦二人の問題として乗り越え、解決していく気持ちを持つことが大切です。

不妊症の検査と治療

不妊症治療は、タイミング指導や人工授精(AIH)などの一般不妊治療と、体外受精(IVF-ET)や凍結胚移植、顕微授精 (ICSI)などの高度生殖補助医療(ART)に分けられており、また検査も一般的な不妊スクリーニング検査から、腹腔鏡(内視鏡)検査などの高次の不妊検査があります。

不妊治療と妊娠

総合病院における不妊治療による妊娠例のうちわけは、タイミング指導によるものが約50%です。人工受精による妊娠が約30%、残りが体外受精による妊娠です。

タイミング法

タイミング法は、超音波検査やホルモン検査により排卵日を特定し、夫婦生活を持っていただく治療です。この治療で妊娠された方の、通院の期間による累積妊娠率をグラフに表しました。68%の夫婦が、6ヶ月以内の通院で妊娠され、12ヶ月で82%、18ヶ月で96%の方が妊娠されています。

人工授精(AIH)

人工授精(AIH)は排卵日にあわせて精液を取っていただき、洗浄、濃縮した後、子宮内に注入します。人工授精で妊娠された方の多くは、4回目までのAIHで妊娠されています。

高度生殖補助医療(ART)

卵管閉塞や、子宮内膜症、乏精子症等重症の不妊症、原因が不明で人工授精で妊娠しない方は、体外受精などの高度生殖補助医療(ART)を行います。当院では、体外受精、凍結胚移植を行っています。
当院の不妊診療の特徴
不妊症患者さんの、約3割が体外受精などの高度生殖補助医療(ART)を必要としますが、7割は一般不妊治療(タイミング法、人工授精等)で妊娠されています。

当院ではできるかぎり自然妊娠を目指し不妊治療を進めておりますが、一方、必要な患者さんには、腹腔鏡(内視鏡)検査、腹腔鏡下手術、および的確な診断による体外受精治療を選択しております。総合病院での診療の特徴として、腹腔鏡手術を含めた不妊症治療から、妊娠、分娩、新生児の管理を一貫して行えること、また合併症を有する患者さんが体外受精を希望される場合も、他診療科との協力のもと安全に行うことが可能です。

当院の不妊診療の流れ

当院での治療の流れをお話しします。

一般不妊検査で卵管通過障害などの異常を認めない場合は、タイミング法から開始します。6カ月から1年のタイミング法で多くの方が妊娠されています。この治療で妊娠されない場合は、つぎに人工授精を行います。

タイミング法や人工授精では、超音波検査で卵の発育を厳重に観察し、また卵が子宮にうまく着床できるかどうかの一つの目安である子宮内膜の厚みの測定も行います。あわせて成熟した良い卵かどうかの目安であるホルモン測定[卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)、LHホルモン(排卵の引き金となるホルモン)]も行います。排卵時期の卵胞径、子宮内膜厚、ホルモンの3つの値は非常に大事で、その3つともがバランスのとれた最適な状態のときにタイミング指導や人工授精が行えるよう治療します。卵の発育が悪かったり、3つの値のバランスが悪いような場合には、必要なら種々の排卵誘発剤を、その方に合った投与法を工夫し排卵誘発します。
治療の時期をみて必要なら腹腔鏡検査を行い、子宮や卵巣や卵管のまわりに内膜症などの異常があれば、腹腔鏡下に治療し、再度タイミング法から治療していくか、お腹の中の状況によっては体外受精を選択していきます。
一般不妊検査で卵管通過障害など異常を疑う場合は早期に腹腔鏡検査を組むようにしています。また抗精子抗体陽性の方は、抗体価が低ければ、人工授精から、高ければ体外受精を選択しています。人工授精を5?6回行っても妊娠されない場合は、体外受精を選択します。
精液検査で重度な乏精子症(精子の数が極端に少ない)や精子無力症(精子に動きがない)がみつかり、泌尿器科的な治療でも改善されない場合は、体外受精を選択します。顕微受精が必要な方もいます。

良い受精卵を胚移植してもなかなか妊娠に至らない方には、受精卵がうまく子宮に着床できるようにアシステドハッチング(受精卵の殻の一部にガラス針で切開を入れ、受精卵が殻から脱出し易くなるようにする)や胚盤胞移植(受精後5日目の受精卵、自然ではこの時期に子宮に着床します)を行います。また余剰卵は凍結し、次回に胚移植を行うためにそなえます。

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