薬剤科の業務
現在14名の薬剤師により、各業務を分担し、医薬品の適正使用とリスクマネージメントを通して質の高い薬剤業務を目指しています。宿日直体制を導入し、24時間体制で業務を遂行しています。薬の専門家として病院、地域医療に貢献できるよう努めています。
1.調剤業務
医師の入力した処方箋に基づいて、用法・用量、相互作用、重複投与、投与禁忌などをチェックし、疑問点があれば、医師に確認・相談を行ってから薬を調剤します。電子カルテと連動した薬袋プリンタ、自動錠剤分包機、散剤監査システム、散剤分包機を導入し、システム面でも、正確性と安全性を確保しています。患者様に適正かつ正確な薬物治療が行えるよう、監査体制でも万全を期しています。


2.外来調剤業務
外来は厚生労働省推進の医薬分業によって、院外処方を基本としています。患者様には院外処方箋をお持ちいただき、かかりつけ薬局で薬を受け取っていただきます。
一部の患者様は院内処方箋となる場合があります。1階にある調剤室で薬を調剤し、お薬窓口にて引換券と交換してお渡しします。電光掲示板には調剤済みの薬の番号が掲示されます。必要に応じて、服薬時・生活上での注意点、吸入指導など行っています。
そのほか、お薬窓口では、お薬に関するあらゆる疑問・相談に応じています。また、プライバシー保護の目的で、お薬窓口の隣に「お薬相談室」を設けていますので、お気軽に相談ください。




3.おくすり手帳
当院では島根県で初めて、お薬手帳を導入しました。また、オリジナルのお薬手帳を発行し、おくすり手帳に貼る専用処方シールを発行し、薬と一緒にお渡ししています。お薬手帳をご利用することで、自己管理、薬歴、相互作用、重複投与などのチェックに役立てていただいております。

4.薬剤情報提供
薬品名、用法、用量、薬効、副作用、注意点などを説明した「おくすり説明書」を薬に添付しています。また、必要に応じてメーカー作成のパンフレットや説明書を添付することもあります。よく読んでから服用してください。

5.入院調剤業務
入院患者様のお薬は飲み間違いや飲み忘れの防止のため、錠剤、カプセル剤を服用する用法ごとにまとめて分包(1包化)を基本としています。また、自己管理をされない患者様の薬は個人別にセットし、病棟で配薬ミスがおきないよう工夫しています。また、自己管理をされる患者様で、ヒートを希望される場合にも応じています。




6.持参薬管理
持参薬とは、患者さまが入院時に持参した使用中のお薬のことです。これらの持参薬を薬剤師が、薬品名、成分名、薬効、院内同種薬・同効薬などを調べ、電子カルテ内に記録し、スムーズな継続ができるよう取り組んでいます。また、入院してから新たに使用する薬剤との相互作用・重複投与の回避にも貢献しています。
7.注射薬調剤
外来・入院患者様に使用される注射薬も、医師の入力した処方箋に基づいて、用法、用量、相互作用、配合変化、重複投与、投与禁忌などチェックし、疑問点があれば医師に確認・相談を行ってから調剤します。注射薬オーダリングシステム・注射薬払い出し装置により、個人別に注射剤をセットしています。また、各病棟へは搬送時の安全とプライバシーを配慮してシャッター付きのカートに個別セットを収納し、搬送しています。




8.抗がん剤管理業務
安全で効果的な抗がん剤化学療法を実施するため、レジメンの評価・管理を行っています。抗がん剤レジメンオーダー支援システムを導入し、医師の入力ミスを未然に防ぎ、さらに薬剤師によって、患者個別に投与量、投与期間、休薬期間、併用薬剤などをチェックし、疑問点があれば、医師に確認・相談を行っています。施行前日には、担当看護師より、患者個別に現在の状態、副作用状況などの情報提供をいただき、支持療法、休薬・減量などの提案を医師に行っています。また、レジメンの種類、スケジュール、薬品名、内服前投薬、量、流量、点滴時間、投与順序、ルート、投与時、投与後の注意点を担当看護師と一緒に確認し、施行当日にミスが起きないよう万全を期しています。


9.抗がん剤無菌混合調製業務
薬剤科内の抗がん剤調製室に安全キャビネットを設置し、外来・入院患者さまの抗がん剤を無菌的に毎日、調製しています。抗がん剤は調製前日に患者個別にカートにセットし、計り取る量や調製時の注意点、特殊な手技などを施行票に記入し、当日安全に調製が行えるよう準備しています。


10.医薬品管理業務
当院は、診療科目21科で、保健・医療・福祉ゾーンの中核施設として担っています。したがって、全診療科に対応した多品目の医薬品の購入管理、在庫管理、品質を確保した供給管理を行い、医療経済に貢献しています。また、定期的に医薬品の収支・在庫の統計を行っています。
特定生物由来製剤の実施記録、また、不正使用・盗難防止の目的で向精神病薬・覚せい剤原料や毒薬の帳簿を記録して管理しています。
また、当院は初期被曝医療機関に指定され、原子力災害時に備え、被曝患者に放射線障害予防処置を行うため、安定ヨウ素剤を保管しています。


11.麻薬管理業務
今日では医療用麻薬はがん疼痛治療の主軸となっております。昔は麻薬といえば、習慣性や中毒といったイメージがあり、敬遠されがちでしたが、現在は適正な使用を行えば、問題がないことが立証されています。また、患者さまの生活の質を向上するために、積極的な使用が推奨されています。当院は緩和ケア・ペインクリニック科があり、専門的な疼痛緩和治療を行っているため、患者個別に対応した細やかな治療に対応するために、採用している麻薬は多種類にわたっています。
麻薬の取り扱いは不正使用・盗難の防止のため、法律に基づいて購入から使用、廃棄まで、厳格に定められ、管理を行っています。
12.院内製剤業務
医師からの要望に応じ、経済性または安定性の面から市販されていない特殊な製剤を、その有用性、効果、安全面から調査・検討して調製しています。



13.高カロリー輸液(TPN)の無菌的混合調製業務
高カロリー輸液療法は食事で栄養が取れない患者さまに点滴行い栄養を補充する治療です。病原体が混注時に輸液に混ざることのないよう無菌室で無菌的に調製しています。

14.医薬品情報管理業務(DI:Drug Information)
医薬品情報の収集・評価・整理・保管、多職種への提供を行い、安全で適正な薬物療法に貢献しています。情報誌、文献、書籍などを整理し管理しています。随時、院内電子カルテ内で医薬品情報を提供し、薬物療法を支援しています。
また、院内薬事委員会資料の作成、厚生労働省への副作用報告を行っています。

15.治験業務
新しい薬になる前の「薬の候補」を治験薬といい、国の承認を得るために臨床試験(治験)が行われます。当院では薬剤科に事務局を設け、治験薬を管理し、外部委託によるCRC(治験コーディネーター)が治験業務のために活躍しています。また定期的に治験審査委員会(IRB)を開催し、治験参加者の人権と安全を守るために治験実施計画書とその改訂や同意書説明文書などを審査・承認します。

16.薬剤管理指導業務
入院患者さまに処方されている医薬品・治療計画から、その薬物療法が適正かどうか評価し、患者さまに正しい認識で安心して服薬できるように、目的、薬効、用法・用量、副作用やその対処法、飲み忘れたときの対処法などを説明・指導しています。また、注射剤に関しても目的、薬効、副作用などの情報提供を行っています。患者さまから得られた情報を評価し、必要時、主治医や看護師、他病棟スタッフに提供し、安全に薬物治療が行えるよう努めています。また、病棟でのチームの一員として患者さまの情報を共有し、治療計画を検討するために、カンファレンスに積極的に参加しています。

17.プレアボイド報告
薬剤師が薬物療法に直接関与し、薬学的患者ケアを実践して患者の不利益(副作用、相互作用、治療効果不十分など)を回避あるいは軽減した事例を「プレアボイド」と称して日本薬剤師会に積極的に報告を行い、薬剤師の職能が患者様、他医療スタッフに理解され、評価されるよう努めています。
18.TDM解析業務
TDM(Therapeutic Drug Monitoring)は、薬物の副作用を最小限に抑え、より効果的な治療が行えるように薬物治療に関する様々な因子(血中濃度、検査データ、臨床症状など)をモニタリングすることです。医薬品の中には、薬本来の効果を得るための血中濃度域(有効治療域)が狭いものがあります。有効域を超えてしまうと中毒域と呼ばれる薬の量が多い状態になってしまい副作用が出てくる可能性もあります。そのような薬について最大の効果と副作用を最小限に抑える目的で、薬物血中濃度の結果をもとに、コンピューターで解析し、個別化した投与計画を設計しています。主に、抗MRSA抗生物質についてTDMを行っています。TDMは薬学の専門的な知識を必要とする薬物動態論を生かした薬剤師の業務の一つです。
19.院内専門チームへの参画
各種教室(糖尿病教室、アルコール教室など)で、患者さまに指導しています。
また、ICT(感染制御チーム)、緩和ケアチーム、褥そうチーム、NST(栄養サポートチーム)など、薬剤師の専門知識を生かして、チームの一員として活動しています。
がん患者さまの状態に応じた適切な治療を提供するための検討会(キャンサーボード)にも積極的に参加しています。
これらの活動を通して、病院全体、地域における安全で質の高い医療の提供に貢献しています。
20.薬学生実務実習
薬学部学生病院実習の受け入れを行っています。
実務実習モデルコアカリキュラムを基本としカリキュラムを作成し、指導薬剤師をはじめ全員で支援しています。各業務への理解と基本的技術の習得を目指し、栄養サポートチーム(NST)、緩和ケアチームのラウンドや糖尿病教室など、チーム医療における薬剤師の活動もこの期間内のカリキュラムに組み込んでいます。また、病棟薬剤師の指導のもと、病棟における薬剤師の役割、服薬指導、他スタッフとの関わりを学習します。
実習に対して熱意ある学生をお待ちしています。











