ロボット支援手術について

手術支援ロボット(daVinci)を島根県での市中病院で初めて導入

泌尿器科科長:瀬島健裕

(日本泌尿器内視鏡学会/日本内視鏡外科学会技術認定医)

(日本泌尿器学会/日本泌尿器内視鏡学会ロボット支援手術プロクター)

当院では2019年10月に、手術支援ロボット(daVinci)を導入し、11月より前立腺癌に対するロボット支援手術を開始しました。島根県では島根大学で既にロボット支援手術が行われていますが、大学以外の市中病院としては島根県で初めてとなります。
ロボット支援手術とは、腹腔鏡手術が進化した形の手術です。即ち、お腹に小さな穴を数カ所あけ、そこにトロカーという鉗子やカメラを出し入れするための筒を挿入します。トロカーを手術支援ロボットへドッキング(接合)して、遠隔操作により術者が鉗子やカメラを操作して手術を行います。
ロボット支援手術の鉗子は腹腔鏡手術の鉗子と違って、先端が屈曲するなどの特徴を備え、7自由度と呼ばれる精密な操作が可能です。またカメラの性能も優れており、詳細な3D拡大画像を見ることができます。このためミリ単位での切離・剥離を行うことが可能となります。よって前立腺癌手術においては、癌の根治切除と尿禁制(尿が漏れないようにすること)や性機能保持が、開放手術や腹腔鏡手術より優れています。また出血量は開放手術に比べ少なく、輸血を必要とする症例が非常に少なくなりました。更に手術創の痛みも少ないため、低侵襲手術(体に優しい手術)の代表格となっています。