サイバーナイフについて

定位放射線治療専門装置(サイバーナイフ)を導入:山陰地区で初めて

放射線治療室長(放射線治療専門医)森山正浩

森山正浩先生

近年の放射線治療学の進歩に伴い、腫瘍に立体的(stereotactic)高放射線量をピンポイントに照射できる、高精度放射線治療機器が開発されてきました。その代表格であるサイバーナイフは、高性能の産業ロボットに小型の放射線発生装置を搭載した最新の装置です。
当院ではがんセンター開設に伴い、サイバーナイフを導入しました。中国地方で3番目、山陰地区では初めてとなります。

導入されたサイバーナイフの写真

1.多方向からの治療が行えます。

ロボットアームによりあらゆる方向から腫瘍に集中的に放射線を照射することが可能で、周囲の正常臓器への照射は最小限にとどめることができます。

6つの関節をもつロボットアームが自在に動きます

2.監視システムにより正確な治療が行えます。

狙った腫瘍を確実に照射するため高精度の位置照合システムを搭載しており、治療中のわずかな移動をエックス線のモニターで監視しながら治療を行います。天井に取り付けた2つのエックス線カメラにより身体の1mm以下の動きも検出し、ロボットアーム側で位置誤差の補正を行います。また、呼吸に伴って動く肺や腹部のがんに対しても、自動追尾し治療することができます。

監視システムの説明

3.非侵襲的に治療が行えます。

従来のガンマナイフによる治療では頭部に侵襲的なフレーム固定が必要でしたが、サイバーナイフでは簡易的なプラスチックマスクによる固定のみで精密な照射を行うことが可能となり、患者さんへの負担軽減につながっています。

頭蓋骨に直接ねじ固定する状態の写真と簡易的プラスチック固定の状態の写真

腫瘍の大きさ、状態によって異なりますが、治療日数については平均1日から5日であり、通院治療も可能です。1回の治療時間は頭蓋内、頭頸部で約20分から30分、肺、肝臓で約30分程度となります。
適応疾患は、脳・頭頸部腫瘍、体幹部の限局した悪性腫瘍などですが、詳細は松江市立病院がんセンター・放射線治療専門医にご相談ください。


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